【にゃんこらむ】ねこを愛でながら泡盛を 1回目 

 

はじめまして。泡盛ルポライターの富永麻子です。

 

といっても、ここで「泡盛とねこにまつわる話」なんて書こうにも書けません。

 

ですので、ここでは泡盛とねこをこよなく愛する、泡盛ルポライターが

ねこのお話を徒然なるままに書いていこうと思っています。

 

今回は、ある子ねことの出会いのお話です。

 

わたくし事で恐縮ですが、ラジオ沖縄にて毎週土曜夕方430分から

「麻子邸へようこそ」という番組を担当しています。

麻子邸へ素敵なゲストをお招きして、泡盛を飲みながらいろいろと楽しいお話を伺っています。 

ラジオ上の架空のお店のように思われる方もいると思いますが「麻子邸」は現実に存在していて、

通りに面した長い階段を上った二階にある小さな泡盛バーでした。

諸事情により、現実の「麻子邸」は現在休眠中なのですが…。

 

 

その子ねことは、現実にあった「麻子邸」で出会いました。

3年前の5月の雨の夜のことです。ずっと子ねこの鳴き声が聞こえていました。

気になりながらも、姿は見えずどうすることもできぬまま最後のお客様を見送ったとき、

階段と歩道をつなぐために敷いてあった簀子の下から子ねこがひょっこり姿を見せ、

またすぐに簀子の下に隠れてしまったのです。

 

「ねこを飼いたいなぁ…」と思っていながらも、なかなか飼えずにいた私は、

携帯の着信音を本物のねこの鳴き声にしていたため、

その着信音を鳴らして子ねこを誘い出してみたのです。

「にゃぁ~にゃぁ~」と、携帯が鳴るとさっき隠れた子ねこが簀子の下から勢いよく飛び出し、

階段を上って私の足にガシッ!としがみついたのです。

きっとはぐれたお母さんを探していたのでしょう…

 

子ねこは、片目がひどくただれていました。 

その上、子ねこのまるまるとした可愛さはなく、

やせっぽちで、まるでネズミのようでした。

 

お母さんとはぐれた、やせっぽちで片目がただれた子ねこを

見捨てることができず、その夜自宅へ連れ帰りました。 

生活が不規則な上、出張も多い私にねこを飼うことは無理だと思い、

この子ねこのただれた目を治してあげて里子に出そうと決めました。

翌朝いちばんに動物病院に連れて行くと

先生は「この子の目は、治らないかもしれないよ…。

そしたら飼い手も見つからないし、麻子さん、飼ってあげたら?」と言われました。 

そう言われても、飼う自信のなかった私は、ただひたすら、

この子の目を全力で治してあげるしかなかったのです…。

13回、目薬をさし、自らご飯を食べようとしないため、

すごく高級なレバーペーストのようなねこ用の缶詰をお湯で溶き、

シリンジで無理やり口に流し込むことを1日に5回。

 

コットンにぬるま湯を含ませ何度も目を拭く。

寝床には、泡盛の空き瓶で作った湯たんぽを

タオルにくるんでひたすらお世話を続けました。

 

その間にも、おなかに寄生虫がいるのがわかり、薬を飲ませたり…

本当に本当に手がかかり、お金もかかり、夜遊びもできず、つきっきりの毎日でした。 

目薬もご飯も目を拭かれることもなにもかも恐怖だった子ねこは、 

私になつく様子はなく、何度も噛まれたりひっかかれたりの繰り返し。 

「早くよくなりますように…」「ちゃんと里子に出せますように…」 

 

そう思いながら、ねずみのような、

目のただれた子ねこの世話を続けたのでした。

 

 今回はここまで。

 

 

子ねこが、泡盛の空き瓶で作った湯たんぽにぴったりと寄り添って寝ている姿をみて 

「淋しいんだなぁ、お母さんが恋しいんだろうなぁ」と胸がきゅっと痛みました。 

ちょっと切なくなった夜は、泡盛のお湯割りがおすすめです。 

「え?これからの季節に?」とお思いかもしれませんが

季節の変わり目は、体調を壊しやすくなりますし、

あたたかいものを飲んでから

眠りにつくとぐっすり眠れるんですよ。

 

【お勧めのお湯割りの作り方】 

耐熱グラスに、お湯を先に入れます。

その後、お湯の上に泡盛を「そ~っ」と優しくのせるように注ぎます。 

そして、混ぜない! 

お湯よりも 泡盛のほうが比重が重いため

そっと上にのせた泡盛は、溶けるようにお湯に落ちていきます。 

その上、泡盛がお湯を蓋しているので、

湯気もたたず熱すぎず飲みやすいんですよ。

ぜひお試しください。

 

泡盛がゆっくりお湯に溶けていくスピードで

ゆっくりと味わってみてくださいね。

 

 泡盛ルポライター 富永麻子でした!

 

泡盛ルポライター

富永 麻子(とみなが あさこ)   

沖縄県那覇市首里出身

 

1999年度 沖縄県泡盛の女王 

泡盛の女王として、沖縄県内外、国外などで

泡盛のPR活動の任期を1年間務めた後、飽くなき探究心から、

沖縄県内の全48ヶ所の泡盛酒造所を取材。

琉球新報にて「富永麻子の泡盛のふるさと巡り」の連載を

きっかけに『泡盛ルポライター』となる。

著書に『 泡盛はおいしい 〜沖縄の味を育てる〜 岩波書店 がある。

全国各地で、泡盛に関する講演、セミナーなども精力的にこなす。

 イベント司会、テレビ、ラジオ、インターネット等、フリーのパーソナリティとしても活動中。

 

 

【主な活動】

ラジオ沖縄 『麻子邸へようこそ』  パーソナリティ

沖縄タイムス『オフィスの窓』・『唐獅子』など コラム連載

主婦の友社『泡盛大全』 ・ 双葉社『泡盛「通」飲読本』 他 執筆

BS日テレ 沖縄楽園スタイル うちなー亭   レギュラー出演

RBC ちゅらグルメ レポーター  

ジ・アッタテラス クラブタワーズ カルチャープログラム きき酒体験 講師

泡盛倶楽部 富永麻子の酒造所巡り(インターネット コラム 48酒造所完全網羅)

富永麻子と行く『泡盛探訪ツアー』 企画・実施