【にゃんこらむ】猫専用アパート「まやちぐら」コラム

 第5回「のす」との出会いは運命!?

 多分宇宙初のキャットステップができるまで

 

 

さていよいよキャットステップのお話になります。

前回ホーローについてのお話をしましたが、
そのホーロー製品の一つである
エマウォールという壁が
キャットステップを作る上でのヒントになりました。

皆さんはキャットステップと聞いて
どんなものを思い浮かべますか?

例えば壁に打ち付けて階段状になっているものや、

もしくはいくつもの段の間に板を挟み、段差などを
変えられるものが挙げられますよね。


しかし壁に直接打ち付けるタイプは、
もちろん壁に穴が開きます。

しかも何回も飛び移ったりしていると
少しずつ穴が広がっていく可能性があります。

そうするとまた他の所に穴を開けなければ
いけません。

それが繰り返されると、壁は
まるでシンにやられたケンシロウのように
穴だらけになってしまいます。

 

 

 

シンは北斗七星という
センスの良い形で傷跡を残しましたが
普通ならそううまくいきません。
(
北斗の拳がわからない方ごめんなさい。笑)


また段差を変えられるタイプは、
ホコリが溜まった時の掃除が
やたらめんどくさいです。

これはまやちぐらを作る上で
私が大事にしていた
「掃除で楽をする」という
こだわりに反します。


そしてホーローという素材に出会ったことで、

「中身が鉄で出来た素材の壁なら磁石がくっつく!

磁石を使ったキャットステップなら、
位置や角度を自由に調整できる!
壁に穴も開かない!
掃除も楽!」


そう思いつき、
多分宇宙初であろう
磁石可動型キャットステップを
作ることに決めました。


キャットステップ作りで
まず最初に探したのが
最強の磁石です。

色々調べた結果
ネオジウム磁石なるものを発見し、
早速業者に問い合わせ試しにいくつか購入。
形は板ガムが少し厚くなったような長方形です。

磁石が届いたので
強度を確かめようと触っていると、
磁石の表面同士が
「バチン!!」
と強烈な強さでひっついてしまいました。

それを剥がすのがもう、大変。
さすが最強の磁石!と
すごくワクワクしたのを覚えています。

それだけの強さがあるからと、
結構大きめな板に少ない枚数を貼り付けた
試作品をとりあえず作ってみました。

試作品を作っていた当時のアパートでは、
磁石がくっつく場所は洗濯機か冷蔵庫。
なのでそこで実験していました。

くっつく勢いは良かったものの、
板が大きすぎたことで、
てこの原理で少しの力でも簡単に
外れてしまいました。


そこから磁石の数を増やす、
板の厚さ・大きさなどのミリ単位調節など、
何度も何度も試作品を作り
失敗を繰り返しました。


そしてある程度形になった頃、
ふと思いました。

「猫で試してない」

猫アパートが完成したら保護猫施設から
保護猫を引き取る予定だった為に、
その時点で私はまだ猫を飼って
いませんでした。


そして運命の出会いは
2016
1231日夜11時頃、突然に。

ウォーキングをしていると
浦添市美術館の駐車場あたりで
少しガラガラした声でニャーニャーと
すり寄ってくる猫がいました。

喉が渇いているかもしれないと、
容器を探し公園で水を汲んできて
とりあえず飲ませました。

首輪をしていたので
すぐに Twitter にあげ、動物保護掲示板にも
投稿し飼い主を探しました。

しかし反応なし。

飼い主が見つからない、
届けても殺処分される、
今住んでいるアパートは猫を飼えない、
連れて帰るには、一生面倒を見ると
覚悟を決めなければならない。

いろんな考えがぐるぐる回り、
現場に飼い主が現れる可能性にかけ、 とりあえずその日は帰ろうと思い
歩き出しました。

するとその猫は私の前に回り込み、
「どこに行くの?おいてかないで」
と言わんばかりに立ち塞がりました。

追い越しても回り込み、
追い越しても回り込みの
繰り返しでどこまでもついてきました。

これはもう覚悟を決めないといけない、
私はアパートに連れて帰りました。
飼い主が見つからなければ一生
面倒を見ると決心しました。

その猫こそ現在の愛猫「のす」 です。
今思えば、元旦だったので神様からの
お年玉だったのかもしれません。

 

「のす」を連れて家に着いたのは夜中の0時半。
すぐ猫砂と餌を購入し、
プラスチックの引き出しで
即席のトイレを作りました。

一発目のトイレが勝負どころなので、

「のす」の動きをずっと見ていました。
布団の上でおしっこの体制になり
すぐにトイレに移動。
そこで用を足してくれ、一発で
トイレを覚えてくれました。

その後、試作のキャットステップに
ついにちゃんと猫を乗せる時が!笑

実際乗せてみると、
まだ体の小さいのすでも
やや狭いということが判明。
またゼロから作り直しです。

そして「のす」のおかげで、
キャットステップの
最終型が完成しました。

大きな板を何枚も用意し、
カットしては磁石をくっつけるという
作業をひたすら繰り返しました。

妻にはキャットステップの裏に貼る
滑り止めのゴムをカットしてもらいました。
ゴムのカットが難しく、
私には到底できませんでした。
妻に感謝ですね。

キャットステップに乗る猫、
その猫を見て喜ぶ飼い主の姿を想像すると
楽しくキャットステップを作ることができました。

そして何度も試行錯誤、失敗を
繰り返した結果、
磁石可動型キャットステップが
ついに完成しました。

 

完成したキャットステップの
見た目がしょぼいので、
苦労が伝わりにくいのですが

実は割と大変だったんです。
楽しかったんですけどね。

そうして完成したキャットステップは
今日も猫たちの遊び場として
活躍しています。

ちなみに家の「のす」はこんなに
頑張って作ったのに、そんなに
乗りません。

のす」は高いところがあまり
好きではないようです。
猫にもいろんな性格がありますからね。

まあたまに使ってくれるので
良しとしましょう。笑

【プロフィール】
田場 正親(たば まさちか)
1981年生まれ、本部町出身。


動物全般とカラオケとお笑いを好む。

185㎝・85㎏の体つきが災いしてか、

元卓球部部長なのに腰痛持ち。

 

ネコの殺処分数や飼える環境の少なさに

衝撃を受け「足りないのは愛情よりシステム」

(猫を助ける仕事/山本 葉子 著 より引用)を

合言葉に、猫も人も快適に過ごせるアパート作りを

本気で目指すことになる。

 

東京にある猫専用デザイナーズアパート

『Gatos Apartment』オーナー木津氏の元で

学んだ事と沖縄の風土を融合させたアパート

『まやちぐら』をおそらく初めて沖縄に作った、

そんな感じの人。

 

まやちぐらホームページ 

http://takiryoku.xsrv.jp/

 

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※このコラムは第4金曜日に更新します。次回は平成30年5月25日(金)の予定です。