2021年7月26日(月)
ユネスコの世界自然遺産に
奄美大島や徳之島、やんばるとともに登録された西表島。
なかでも西表島は「東洋のガラパゴス」とも称されるほど
豊かな自然や希少な生き物が生息することで知られています。
その西表島の美しい自然と先人たちの教えを守って
「島と共に」生きてきた人々の暮らしを
静かに追いかけたドキュメンタリー映画
「Us 4 IRIOMOTE the Movie 生生流転(せいせいるてん)」が
7月22日(木)からYouTubeにて無料で公開されています。
3年を費やした渾身のドキュメンタリー
撮影開始は、新型コロナウイルスが流行する前の2018年6月。
郷土歴史家の石垣金星さんと、途絶えていた染色を復興させた昭子さん夫妻をメインに
国内最大のマングローブ林を守るネイチャーガイド、
近年、深刻さを増す海岸線の漂着ゴミやオーバーツーリズムについて
「今、西表島で起きていること」を3年に渡って記録されています。
イリオモテヤマネコの姿も
貴重な動植物が生息する西表島。
映画にもカンムリワシやヤエヤマセマルハコガメなど
多種多様な動植物が映し出されています。
なかでも、西表島で最も知られている生き物と言えばイリオモテヤマネコ。
島の食物連鎖の頂点に立ちながら、生息数は約100頭とされ
絶滅危惧種、国の特別天然記念物に指定されています。
映画ではイリオモテヤマネコのワイルドながらどこか愛らしい姿を
見ることができますが、ロードキル(交通事故)、
イリオモテヤマネコを守る活動も取り上げられています。
監督・撮影・編集は、シネマトグラファー、仲程長治さん。
仲程監督は西表島と同じ、八重山諸島にある石垣島出身ですが、
「僕の生まれた石垣島とは異なる、この島独特の自然や文化がある」とコメント。
さらに「『私たちにこの自然を少しだけ分けてくださいね』という気持ちで
西表島を訪れる人が増えることを願いながら映画を撮ってきた」と続けています。
コロナ禍が終息し、かつてのように自由に往来ができるようになれば
「謙虚な気持ち」を持って西表島を訪れてみてはいかがでしょうか。
Us 4 IRIOMOTE とは
「Us=明日・私たち」、「4つ」を名前の由来とし、
西表島の自然と文化を守り、次世代へつなぐことを目的とするプロジェクト。
「知ろう」「守ろう」「話そう」「残そう」の4つのキーワードを軸に、
自然や生態系・文化を『明日』に継承するために、西表島を訪れるツーリストに向けた
「エシカルな旅」の啓もう活動と西表島で活躍するNPOを応援している。